2023-01-01から1年間の記事一覧

お知らせ

盗作屋がウザいのでまた休みます。このブログの安全性は守られているのかなあ…… はてなブログさん。どうなんでしょう。

場所(詩)

眺めはほの白く黴(か)びている 黴びたようなつめたく触れる日かげの膚を持っている なのに視力は雲よりも光をとらえ よくは知らないものをそこに見ていた この街と繋がろうとしたことがあっただろうか? 白夜。 ✳ 画像はフリー素材です。 もしかしたら、求…

poem. 名無し@

隠れるのは見つけてもらうため 子供ってそんな感じです 独りになるために隠れる子は 知らない振りを少ししている。 ✨🌛✨ ✳ 画像はフリー素材です。 簡単(笑)いや、真面目に。これも詩ですから。モッチ著作権があります。

GHOST(詩)

毛虫のようになってきた それでもお昼は食べるのである カーテンをもういちど開けたとき そうしたことを後悔しないためにもういちど寝てみよう。 仙人掌(さぼてん)の花はわたしを置いて咲いてしまった 待つものは革命である。 ✨ ✳ 画像はフリー素材です。 …

VampireGIRL(詩)

迂闊(うかつ)なまでに軽やかなのです。 わたしの骨。 月の光は子種のようにほのかに香り 器の艶は陶器の艶で凛として鳴りやみもせず 時の歩みと歩調を合わし時計の針が粛々と歩みつづける。 見つけて。 あなたとおなじ日付の中に。 残り香のしっぽの先にい…

交差点(詩)

〝歳を取るんだ。 思い出と思い出のあいだの場所で〟 消えた少女の失くしたものは コンパスとひからびた地図。 ✨ ✳ 画像はフリー素材です。 一つ前の〝タリサ、クミ〟は今のところ自分にとって大事な詩だけど、これは実のところ、その反動というか反省の立場…

タリタ、クミ(詩)

出会いつづけた景色の中で 声の谺(こだま)がからだをさがしている 〝何故そこに?〟 ✳ 画像はフリー素材です。 ひさびさに。タリサ、クミは新約聖書に出てくる言葉です。記事がここ以外に無断で掲載などおこなわれている場合、それは著作権に…… 言うまでも…

方程式(詩)

世界秩序。私には気流と思える。 教室で 廊下で家で 地下鉄の駅や車内で 道の途中の通過地点で コンビニで 橋の下の小暗い場所で 私を隔て分断し同時に結びつけもするもの。 みんな世界の中心なのだ。 だけどみな実のところは軌道上の天体の一つと想う。 全…

短歌

〝シナプスのつかのま散らす火の花と きみの七十年のとしつき〟 ⚡ 〝すれ違いざま周波数一致で石化 あなたと西へ逃げれたら〟 ⚡ 〝氷雨(ひさめ)の針に傷みゆく置きざりの三輪車には ひらがなで「すず」〟 ⚡ 〝潮騒の蝉の遠音(とおね)もすたれ去り 「今」…

Door(詩)

水晶の眼の少年は角へ消えたということだ 曲がり角を曲がったところ 駅の支柱のかげにある左側のどこかの場所へ。 宙ぶらりんの愛情と 死者たちの叫びつづける地平線をあとに残した。 ✳ 画像はフリー素材です。 なんか…… また出来た(笑)最後です!ほんとに…

瞳(詩)

杉の木立ちは掠れつつ黒く荒んで のり捨てられた金属質のにぶく輝く自転車は 音符のようにぽつぽつと散らばった雪原の足あとへ 足あとのゆくえには 蕾のような血色の唇がある。 つかのま過る静止した時 一切が声を失くした測り知れない巨大な虚ろ 永遠の孤独…

空の設計(詩)

きみの生まれた大切なその時に 色褪せた記憶の顔を 願望の落書きで歪めずに打ち明けるなら おれは確かに 家で随分お酒を飲んでいたのです いつものように。 きみと初めて会ったのは きみが初めて病院の外の空気を知った日のこと きみが病院を出た日のことで…

夕顔(詩)

一つの問いを投げかけたいと願うあいてが幾人かいる お元気にしておられますかと 込み入った様々の事情から この人たちともういちど会える見込みはかなり少ないと思われ このてきびしい現実の中に おれの理性は幾つかのまちがった選択を数える それが切なく…

永遠(詩)

かわたれ時 (だがそれは何時のことだろう) 私は少しでも高いところへ行くために 〝修道院〟の物置じみた屋根裏部屋をおとずれる そこからは東が見える 砂糖黍(さとうきび)の密林と名前の知らない一本の木のある丘が見え その向こうに街と呼ばれた何かが…

座標(詩)

時たま嗅いだため息である 時たま吹いて吹き過ぎたつめたい呼吸。 雑沓の中の人と人との暗黙の了解 高架下 会話の途中ふいにあらわれる陥没した不安な場面 二人どちらとも次の言葉を探しているという状況 雨雲の下のいじけた心。 死はたぶん青みがかったにび…

サニーサイド(詩)

海と陽ざしに面した窓である。 静かに凪いだ真夏の海と 陽だまりのある窓辺があって 家具と花瓶と声はない 抜け落ちた虚ろなものがそこに立ち止まっている。 少し奥には暗がりがある そこにたたずみ ひっそりとした影がある。 清楚な人が海を見ている。 ⏳ ✳…

道すじ(詩)

いつもほのかにほの暗い匂いをさせる おれは変質者のようにそれを嗅ぐのがはなはだ好きだ いつも求めている。 女性はいつもほのかなものを立ちのぼらせている 残り香のように微かに 変質者の熱心さでそれをくんくん嗅いでいる。 それはうっすらと黒ずんだ抑…

保険機関(詩)

所詮あてがわれた運命である 君の惨めな見苦しい人生は君の結果であって選択でないから無実 サルトルなどに君の悲哀は分からない せいぜい他人様(ひとさま)のせいにしてこれまで通り醜く生きろ 地下鉄にのり遅れたのは きっと時計の針が時間を守らなかった…

メロウ(詩)

ことを終えたらいつもそのまま寝てたけど 見ていると知っていた うら哀しいあの部屋は冬にはことのほか冷えた 窖(あなぐら)のように凝(こご)って傷んだ暗がりの片隅で 互いを抱いて 互いの膚の微熱で暖を取りながら眠ったものだ すぐには眠れないのは二…

余韻(詩)

赤らむもののほのかに滲むたそがれ時の虚空(こくう)です ほそい烟(けむり)のたなびくように やわらかな風の流れに運ばれる糸がある 幾条(いくすじ)も 幾条も 風の流れのまにまに浮かび 大人しくその身をゆだね 糸の先にはちいさな蜘蛛がきっとしがみつ…

高度(詩)

硬質かつ緻密な青で 波の揺らぎも温和な顔の包容力もない 曇りない染みも傷みも一点もない爽涼そのものな青 色の温度と季節とのあいだには 別段不思議でもないごくあたりまえな齟齬(そご)がある 七月のはずである あの少年はよく七月の教室にいる。 夢に見…

こぼれたきもち(詩)

終(つい)のすみかはたぶん浮き沈みのかなたです 会いたい人は まじめにこれを考えるなら 駅改札や二度か三度の乗り換えや綿々としてとめどない眺望の連続のかなたです 実際人はあってないような悩みを悩んで生きるものである 確かなことが一つあるけど こ…

青色(詩)

夏の盛りの陽炎である 滲みの中に残響の震えをやどす情景と見え そのくせここに聴こえるものは 歩行の脚の小石のような乾いた音だけである。 それは確かに 一台の磨かれた瀟洒(しょうしゃ)なピアノ 往来の真ん中で孤独なままに自らを耐えている。 誰ひとり…

人の巣箱(詩)

街 それ自体鉄と硝子と石材とアスファルトの目論まれた建築である つねに浸透する無情に澄んだものがある つねに浸透し蔓延している 到るところに 赤信号 〝進んではいけない〟 街は人より荒んで見える 人よりも疵口(きずぐち)を隠してはないように見える …

鏡の指紋(詩)

濁流を想わすような天と地の色である。 天秤が東に振れた すなわち西が沈んだわけである 曠野(あらの)で暮らす偽預言者は若い女の魔女である 襤褸々々(ぼろぼろ)の身装(なり)をして 酸っぱい乳房と 道に迷えば真実な自分の水溜まりとを持っている。 松…

少年(詩)

地下鉄は轟音の中を進んだ 重金属のたたかい軋む何かしら深度のふかい轟音である ことさらに揺れの烈しいそこは恐らく曲線だろう 重心の傾き揺らぐ波のうねりの感覚がある うねりにあらがおうと力(りき)めばむしろちからは逆のベクトルへと作用する 委ねた…

スノーホワイト(詩)

こんこんとつのる想いを何と形容したらよいものか 切なくて切なくてすでに狂おしいほど充たされている。 雪 しめやかに音のない無心の雪は情を持たない 闇の密度の重みある凝縮と 降りつのる無垢な白さは矛盾せず谺(こだま)しあって 一つの感傷を 一つの真…

True CALLING(詩)

夏の夜のその奥ぶかい分け入った秘かな場所で 耳をすまして聴いている 聴いている それは思い出でなく古くなった魂である 存在の最も忘れられた片隅で眠る。 ⚓ みなもは蛍火の蛍光色の海である 緑色の濡れた光をたおやかな女性性の波がたたえる。 ⚓ 憎しみは…

白い刻印(詩)

その部屋もまた欠け落ちたピースの可憐なひとひらである そこで過ごした時間ごと思い出の物置の奥で朽ちゆく そこにあるのはあらかじめ失われるために立ちあらわれ通過したような枯れ葉いろの思い出ばかりだ 見落とした値うちも恐らくあるが忘れてしまっても…

凛(りん)詩

太陽は鴉のように墜落し藍色の夜陰(やいん)の中で凛々しいまでに澄んでいる わたしは澄んでいる 血管(ちすじ)の中に混じったものは懐かしい夕景と似て あわあわとおぼろに遠い忘れ去られた細胞である それは珠玉のように純真なもの わたしは澄んでいる …