2024-01-01から1年間の記事一覧

poem “Erika””

小瓶の中の粉末はほのかに緑色をしている。 ジギタリス。ジギタリス。 この粉末は致死量数回分の毒薬である。 窓は凍結したように冷え窓の外には冬の日の色褪せた場所がある。人も車も通らない静かな道の途中の場所。窓は積み木と二段ベッドのある二階の子供…

詩, 浅瀬

冬なので路面が少し死んでいる 枯れた木立のない味けない通過地点 光量と酸素の中に浸透性のつめたい呼吸。 冬日(とうじつ) 何もかも既視感がある 誰も彼もが色褪せて何か稀薄で 昔もこんな時代があった。 傷んだ皮のほのかな腐臭 硬水の含む青白い鉄。 冬…