# other side

時と場所、行為と過ちとのあいだにたまに窓枠がある。つめたく触れるもの。金属質のつねに微光をはらむ窓枠である。

つねに窓からは馴らされた何かが見える。それは街。それはゆき交う人々の歩みと停滞、停泊。それは駅。秩序は到るところに蔓延して曖昧に飼い馴らすのだ。

行為と過ちとは要するに死ななかったことの結果。むしろ地図と似ている。時間や鼓動のはらむような流れや継続性とは微妙に違う何かが支柱となっていると感じる。座標と方位と土地。目的地。

膚と接した窓枠の温度は時として少し鋭利だ。時として。膚を傷める清冽のつかのま白い喪失。

駅の名前は時として少し文学的。それは地図ではいつも片隅の場所である。

光源に夜を感じる。

 

# other side

 

画像はフリー素材です。盗作禁止。著作権侵害禁止。澁澤政裕。

poem “Erika””

小瓶の中の粉末はほのかに緑色をしている。

ジギタリスジギタリス

この粉末は致死量数回分の毒薬である。

 

窓は凍結したように冷え窓の外には冬の日の色褪せた場所がある。人も車も通らない静かな道の途中の場所。窓は積み木と二段ベッドのある二階の子供部屋の窓だ。

途中の場所。

 

二段ベッドの上と下とで寝ている子供はおなじ少女だ。おなじ顔とおなじ身体とおなじ体臭を持つおなじ少女。頭の位置がコンパスのように逆さまな位置関係にある。

おなじ毛糸の靴下とおなじ恥毛のない裸体。

途中の場所。

上の子か下の子のいずれかが言う。

〝お腹が空かない。お昼なら食べないといけないのに〟

 

未完成のパズルには余白がある。それはそのまま額装されて壁の一部をいろどっている。檣(ほばしら)と浮遊する鷗のある穏やかな海と港。

 

ふたりのほかに誰もいない。

外は冬なので部屋にはむしろ温暖なものがある。

 

 

                                                  ##erika

※  画像はフリー素材です。

ひさびさに。盗作禁止。著作権侵害禁止。

詩, 浅瀬

冬なので路面が少し死んでいる

枯れた木立のない味けない通過地点

光量と酸素の中に浸透性のつめたい呼吸。

 

冬日(とうじつ)

何もかも既視感がある

誰も彼もが色褪せて何か稀薄で

昔もこんな時代があった。

 

傷んだ皮のほのかな腐臭

硬水の含む青白い鉄。

 

冬日(とうじつ)

おれでも良いとあなたが言ってくれたなら。

 

                                                       ℓℓℓ

*  画像はフリー素材です。

盗作禁止。著作権侵害禁止。ここ以外に載っていた場合それは無断転載です。

 

 

場所(詩)

眺めはほの白く黴(か)びている

黴びたようなつめたく触れる日かげの膚を持っている

なのに視力は雲よりも光をとらえ

よくは知らないものをそこに見ていた

 

この街と繋がろうとしたことがあっただろうか?

白夜。

 

 

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もしかしたら、求められていたものとは違うかもしれないけど(笑)基本、その時書けるものを書いているので。書いてないけど(笑)ほんと、書面に書けないとキツいす。もちろん、これも著作権があります。無断転載は禁止。やむを得ない。盗作屋がまた何かしてるだろうけど、かと思ってた(笑)ほんと、しょうもないよね…… はてなブログさんはどう思ってるんだろう。

GHOST(詩)

毛虫のようになってきた

それでもお昼は食べるのである

カーテンをもういちど開けたとき

そうしたことを後悔しないためにもういちど寝てみよう。

 

仙人掌(さぼてん)の花はわたしを置いて咲いてしまった

待つものは革命である。

 

 

🍀🍀✨

✳ 画像はフリー素材です。

今の環境では厳しいことが色々と…… これも著作権。もちろん。