瞳(詩)

杉の木立ちは掠れつつ黒く荒んで

のり捨てられた金属質のにぶく輝く自転車は

音符のようにぽつぽつと散らばった雪原の足あとへ

足あとのゆくえには

蕾のような血色の唇がある。

 

つかのま過る静止した時

一切が声を失くした測り知れない巨大な虚ろ

永遠の孤独の中に

少女はみずからを見つけた。

 

 

✳ 画像はフリー素材です。

前ので最後のつもりだったけど、書けてしまったので。また投稿するかは分からないです。最後と思う。ありがとうございました。

<(_ _)>