メロウ(詩)

ことを終えたらいつもそのまま寝てたけど

見ていると知っていた

うら哀しいあの部屋は冬にはことのほか冷えた

窖(あなぐら)のように凝(こご)って傷んだ暗がりの片隅で

互いを抱いて

互いの膚の微熱で暖を取りながら眠ったものだ

すぐには眠れないのは二人ともである

眼をあけたら

眼と眼が合うと知っていた

いつも我慢を少しした

至近距離で眼と眼が合うと

むしろあなたのことが見えないことがよくあった。

 

「可愛い」

あなたのことがよく見えてはいなかった

だが可愛いと言われたら大体はおなじ言葉を返すことにしている

だがあなたとはそのやり取りをし過ぎていた

だからもの言わず見ていた。

 

確か最初のうち

あなたはおれの言葉を疑う振りをしてみせていた

〝本当?〟

歳の差を気にしていたのだろう

あなたはおれを疑う振りをした

おれは嘘など吐いていなかったから

いつとはなしに微笑むだけになったのだ

あなたはなにも言わずにつつましく微笑んだ。

 

もの言わずあなたを見ていた

よく見えているわけではなかった

あなたにはおれのことが見えるのだろうか?

息と息との熱く曇らす二人だけの場所にいた

そこもまた窖である。

 

「可愛い」

よく見えているわけではなかった

しかしおのずとこぼれ落ちた嘘のない言葉である

だけどあなたは微笑んではくれなかった

あなたのほうはおれのことが見えていた気がする。

 

キスをした

代わりに一つ

口角が小気味よい軽みを帯びたキスである

暗がりにそれが聴こえた。

 

 

✳ 画像はフリー素材です。

二十代の頃の話だけど、フィクションだと思って読んでくださいね。

ストーカーはただ迷惑。これ一度聞きたかったんだけど、奴らのSNSモテへの執着てなんなの。おれは自分がそんなにずれているとは思わない。奴らが何かずれている。あいつら、もしかして、そんなもののために…… いや、わざといじわるな書き方をしてるけど(笑)ストーカー行為をやめてください。

これも書いておいたほうがいいか。おれの大昔の詩や言葉にいつまでも縋って生きるのやめてね。その責任なら大昔に取っています。ストーカー連中に対して言ってるんだけど。

大体、あいつらの実態が当時はそこまで分かってなかったです。そうしておれはもうそこにいません。これ意味深。笑

 

出来たら詩のことだけ書きたいね。