氷の世界~井上陽水氏に一方的に勝手に捧ぐ~(詩)

街は蒼白、血の気の失せた痩せこけた頬。

古い時代の古い機構を張り巡らした古い国家のその片隅の場所にいて、おれを呪いの監視下に位置づけたのは無念なことに神様でないだろう。

無念なことに、これは確かにただの迂遠な嫌がらせである。

友人の一人がおれに言った。あなたの中に、私はニーチェを見つけています、と。彼の眼力(がんりき)はたぶん正しい。

 

痛みしたたる冷たいものが偲ばすものは赤いもの、緋色の傘と口紅である。蒼白な街を惑わす。

 

彼の眼は、たぶん正しいはずである。おれは余りに傲慢なのだ。最近たまに思い出すのがツァラトゥストラの確か序盤の章である。確か知的下層階級を論じた一章。

〝市場の蠅〟

だけど私は、幽霊が怖い。

 

 

✳ 画像はフリー素材。カズキヒロという方の写真をおれはよく使わせて頂いております。

 

こんなものをあれだけの方に捧げたりして良いのでしょうか(笑)ただ、インスピレーションを受けたのは確かだったので。無言でタイトルを流用するより良いかなと。