高度(詩)

硬質かつ緻密な青で

波の揺らぎも温和な顔の包容力もない

曇りない染みも傷みも一点もない爽涼そのものな青

色の温度と季節とのあいだには

別段不思議でもないごくあたりまえな齟齬(そご)がある

七月のはずである

あの少年はよく七月の教室にいる。

 

夢に見合った経験値もなく許すためには潔癖すぎる

心は今よりも貧しかった

心に浮かぶ少年は

どういうわけかあらかたつねに青空におかされている

その背景か片隅にあらかた見えている色があるのだ

これもあたりまえのことだろうか

彼の心と連係している。

 

中学の卒業をまぢかに控え

よりにもよってそんな時節に

彼は仲間とともに或る問題を起こした

思えば可愛げのある小ぶりな問題であったが

停学処分のそこにちらつく一つの岐路に立たされた

三者面談の神妙な席にいたのは母である

ともかくも少年と屋根を共有している人である

この人は庇おうとした。

 

〝誰か仲間に唆されてしたことでしょう

友達とのつきあいの中でやったことだと思います〟

反対意見を述べたのは

しかし少年だったのだ

即座に言い放ったことがある

〝ちがうよ

自分でやったの

誰に言われたからでなく自分で好きこのんでやったの〟

 

戸惑いを見せたのは母だけでなかったはずだ

担任も母も

知らないことがこの時あった

知らなかったはずである。

 

少年が自らの身を守ったことを。

 

 

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淡泊かなと思ったけど、意識的にそうしました。

盗撮迷惑。集中できない。何か羨ましがったりしている馬鹿もいるっぽいから書いておきます。おれと君とは価値観がかなり違う。ストーカーはされたら迷惑なものです。まあ…… 言い方がキツいか。でも、何故にこっちばかり理解を示さないといけないのか。ストーカーは迷惑です。普通。