夜行性(詩)

けだものと愛を宿した血汐(ちしお)の中に夜があるとか

恣(ほしいまま)欲望のまま彼は眠って飽和している

充ち足りている

餓えを感じてようやく眼ざめ

そしてようやく偶然のような運命を尋ねて街へおもむくという

だが彼はたいていは行路の人である

彼は彼と出逢った人を通過するだけだ

行人(こうじん)とは旅人のことである

道ゆく人のことである

彼はまだ自分の住処を見つけてはないのだろう

途中の場所で出逢った人は大体は良い人だろう

彼が最も悪人なので

最も夜と親しいはずだ

けだもの。

 

 

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まあ、勘を取り戻すために色々書いてみてはいます。