曠野(あらの)詩

その船を降りたなら

野蛮なもので一杯のその領域の土を踏むなら

そこで死なずに生きるなら

再生可能な四肢を持つ軟体動物の肉体を必要とする

何て不出来な異世界だろう!

あざれ膿む屍どもはにたにたしながら斧を振るい

悲鳴はすでに充満し至るところで谺(こだま)している

だがここにも城はあるのだ

王は古代の巫女である

虎と孔雀とこの人に適う男を侍らせている

塵界(じんかい)に振り向きもせず

大体鏡を見ています

 

 

✳ 画像はフリー素材です。

夢で見たイメージから。